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アドブルー/Adblueとは?その特徴から注意点までまとめて解説

kglo-kawai

運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

ディーゼルエンジンの排気ガス規制は、年々厳しくなっています。そんな中、ディーゼル排気ガスをキレイにするために不可欠なのが「アドブルー/Adblue」。

言葉は聞いたことがあっても、その特徴や注意点をくわしく知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな疑問を分かりやすく解説していますので参考にしてください。まずは、アドブルー/Adblueの特徴から説明します。

 

 

アドブルー/Adblueってなに?

ディーゼル車の排出ガスの中には、大気汚染の原因である窒素酸化物が含まれます。その窒素酸化物を「有害な窒素」と「無害な水」に分解してくれるのが、アドブルー/Adblueです。

アドブルー/Adblueの主成分である尿素が、窒素酸化物の分解を助けて燃焼効率をアップさせ、さらにはCO2削減にも貢献してくれるという優れものです。

アドブルー/Adblueは、ディーゼル車などに搭載される尿素SCRシステムで使われる非常に高品位な「尿素水」と考えてください。

 

 

アドブルーの特徴1| 無色・透明・無臭

純水に尿素を溶かして作られるアドブルー/Adblue。できあがったアドブルー/Adblueは、無色・透明・無臭の液体です。アドブルー/Adblueの尿素は、アンモニアとは異なるため、独特の刺激臭などは発生しません。

そのため、ディーゼルエンジンだけでなく、化粧品や医薬品などあらゆる分野の製品に使われています。

 

 

アドブルーの特徴2| 不燃性

アドブルー/Adblueの主成分が尿素と聞いて、アンモニアで代用できないの?と思った方もいるかもしれません。

実は、アンモニアは気化すると燃えるという特性があるため、走行中に熱を発する車のエンジンに使用するのは危険なのです。

その点、アドブルー/Adblueは不燃性なので、高温になるディーゼルエンジンでも問題なく使用できます。万が一、漏れ出した場合でも、拭き取ったり水洗いしたりすることができ、手入れが簡単なことも特徴です。

 

 

アドブルーの特徴3| 安全性が高い

ここまで説明してきた通り、アドブルー/Adblueは無害で安全な製品なので、危険物・毒劇物の指定はありません。日本国内の気温であれば常温保存が可能なので、長期保存にも適しています。

保存期間の目安として、例えば、10度なら75年、30度なら23ヵ月とされています。ただし、40度を超えると製品寿命が縮むと言われているので、直射日光を避けて風通しの良い場所に保管するのがベストでしょう。

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尿素SCRシステム搭載車の注意点

このように、ディーゼル車にとって欠かせないアドブルー/Adblue。今では、日本でも多くのトラックやディーゼル車に尿素SCRシステムが搭載されています。

ここからは、実際に、尿素SCRシステム付きエンジンを搭載した車に乗る際の注意点について見ていきましょう。

 

 

注意点1| アドブルー/Adblueはこまめな補充が必要

アドブルー/Adblueは、排出ガスに対して常に噴出されます。したがって、燃料と同じように消費した分はこまめに補充する必要があるのです。

目安としては、走行距離1,000キロごとに1リッターのアドブルー/Adblueが消費されます。

車種によってタンクに入るアドブルー/Adblueの容量は変わりますが、1つのタンクに入る容量は7.4リッター~150リッター程度。特に、ハイエースバンはタンクの容量が少ないので、補充する回数が増えると言えます。

 

 

注意点2| アドブルー/Adblueがなくなるとエンジンの再始動ができない

さらに、注意が必要なのは、アドブルー/Adblueがなくなってしまうと、エンジンがかからないことです。

そのため、アドブルー/Adblueの残量が少ないという警告メッセージが点灯したら、すぐに補充した方がいいでしょう。

万が一、走行中に残量がゼロになってしまっても走行は可能ですが、一度エンジンを切ってしまうと走行できなくなるため、注意が必要です。

思わぬトラブルに巻き込まれないよう定期的に点検・補充をする習慣をつけてください。

 

 

注意点3| アドブルー/Adblueは凍ることがある

アドブルー/Adblueの主成分である尿素は、水と同じように凍ってしまうことがあります。凍結温度は11度と言われているので、冬場は注意が必要です。エンジンをかければヒーターにより解凍されるので特別な対応は心配ありませんが、溶けるまではアドブルー/Adblueは噴出されません。

 

 

アドブルー/Adblueの補充はどうする?

最近は、個人の方でもインターネットでアドブルー/Adblueを安価に購入することができるようになっています。

補充自体は、エンジンを切ってボンネット内のタンクへ注ぐだけですが、他の部品や自分自身に付着するリスクもありますので、少しでも心配な方はプロに頼る方が安心でしょう。

補充だけでも対応しているショップはたくさんあるので、正しい知識でアドブルー/Adblueのサポートをしてくれるところに任せましょう。

 

 

まとめ

ディーゼル排出ガスをきれいにするために必要不可欠なアドブルー/Adblue。日本の自動車メーカーや、大手欧州メーカーでも続々とSCRシステム付きエンジンが搭載されており、これからも普及は広がるでしょう。

無害で安全な製品なので、アドブルー/Adblueを取り扱うための特別な資格などはありません。しかし、実際にSCRシステム付きエンジンを搭載した車に乗る際は、基本的な注意点を理解しておくことが大切です。

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運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

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