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知って損なし!トラック運送会社のホワイト企業とブラック企業見分け方

kglo-kawai

運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

運送業界に興味があり、トラックドライバーとして働きたいという思いがある一方で、

「運送業界はブラック企業が多いイメージがあるけれど、実際はどうなんだろう?」
「もしブラック企業に入ってしまったらどうしよう…」

といった疑問や不安を抱えていませんか?

せっかく興味がある業界へ就職・転職をするのであれば、誰だって良い環境で仕事をしたいものです。そこで今回の記事では、運送会社を選ぶ際に気をつけたい“ホワイト企業とブラック企業の損をしない見分け方”について詳しく解説していきます。

 

 

トラック運送会社にはホワイト企業もあればブラック企業も存在する

現在、トラック運送業界の事業者数は約6万2000と非常に多く、この中にはホワイト企業もあれば当然ながらブラック企業も存在します。

実際には、長年の人手不足や規制緩和による過当競争の影響から低賃金・長時間労働が問題になっていることもあり、ホワイト企業よりもブラック企業の方が多い傾向にあると言えるでしょう。

ブラック企業を避けるためには、あらかじめ企業の見極め方を知ったうえで対策を立てていくことが非常に重要となってきます。

 

 

ホワイト企業の見分けかた4選

トラック運送会社が、ホワイト企業の見分け方に関しては主に以下の4つの方法があります。

 

 

①トラックの清掃が行き届いているか

トラックの清掃がきちんとされているかどうかは、ホワイト企業を見極めるうえでとても重要な項目のひとつです。なぜなら、清掃が行き届いていないということは、日頃から洗車をする余裕がないほど業務が忙しい可能性が高いからです。

清掃が行き届いている会社は業務に必要な人員をしっかり確保しているため、洗車をさせる時間の余裕もあり、駐車場にはきれいなトラックがズラッと並んでいます。

会社は社長の鏡です。洗車を気にかけない社長のいる会社は、社内のルールもしっかり定められておらず法令順守も気にかけないケースが多いものです。

 

 

②トラックに安全装置が搭載されているか

  • ドライブレコーダー
  • バックモニター
  • 衝突被害軽減ブレーキ
  • 車線逸脱警報装置

などの安全装置がトラックにしっかり設置されている企業はホワイト企業であることが多いです。

なぜなら、ホワイト企業は安全に対する意識が高く、ドライバーの事故防止はもちろん、事故による会社の信頼低下を避けるため積極的に最新の装置を取り入れる傾向があるからです。

目先の利益だけを考えているようなブラック企業の場合は、輸送の安全にコストをかけたくないと思っているため、バックモニターすら設置されていないこともあるので注意する必要があります。

 

 

③求人情報に福利厚生がしっかり明記されているか

ホワイト企業は福利厚生の面で充実している企業が多いです。求人情報を見る際は、最低限以下の項目が記載されているかチェックしておきましょう。

  • 年間休日(100日以上が望ましい)
  • 社会保険完備(労災・雇用・健康・厚生年金)
  • 昇給、賞与(賞与がない企業は意外に多いです)
  • 退職金制度(制度の有無と合わせて金額についても確認しておくほうが良い)
  • 有給休暇
  • 産前産後休暇(女性ドライバーは必ず確認しましょう)

 

 

④人材育成・研修制度が充実しているか

ホワイト企業の場合、人材育成の重要性を理解しているため研修制度が非常に充実しており、採用したドライバー対してコストと時間を惜しまずにしっかりと教育を施すのが特徴です。

反対に、ブラック企業は人材育成よりも会社の利益を優先するため、経験の少ない人材であっても即戦力としてすぐに独り立ちをさせてしまう傾向にあります。

そうなると、何も知らない状態で大量の業務と責任に追われることとなり、プレッシャーやストレスが原因となって会社に不満を抱き、結果として離職する確率が高くなります。

研修制度についてもしっかりとリサーチしておくことが大切です。

 

 

ブラック企業の見分けかた5選

次に、ブラック企業の見分け方について解説していきます。具体的には以下のとおりです。

 

 

①長時間労働・過重労働を強いられていないか

月に80時間以上の残業は過労死ラインを超えていると言われており、このような状況が常態化している会社の場合、ブラック企業である可能性が高いです。

最近では働き方改革によってトラックドライバーの労働時間が大きく見直されるようになり、対策に取り組む企業も増えてきたことから、わずかですが改善されつつあります。

企業選びの際には長時間労働の改善に取り組んでいる企業であるかどうかの確認をしっかりしておくことが大切です。

 

 

②休日が少ない。有給が取れない

休日が少ないこと、有給が取れないこともブラック企業の特徴です。カレンダー通りに休めたとして年間休日は120日ほどになりますが、トラックドライバーの場合だと年間休日110~120日あればホワイト企業と言えるでしょう。

対して、年間休日が100日以下のところはブラック企業の確率が高いでしょう。ひどい会社だと70~80日なんてところもあります。

有給に関しても、運送業界の取得率は非常に低いため、有給消化を推奨している企業を見分けることが大切です。

 

 

③常に求人誌に広告を掲載しており面接で即決採用する

就業環境が劣悪であればあるほど従業員の定着は悪く、入れ替わりが激しい傾向にあります。離職率が高い企業は常に求人募集をしているので、毎回同じ求人を見かける場合はブラック企業であることを疑ったほうがいいでしょう。

また、従業員の定着率の悪い会社は、採用時に人を選ぶ余裕がないため即決で採用を決める社長が多いです。

面接もそこそこに「明日から来れる?」と打診されたらブラック企業である確率が高いと思って良いでしょう。

 

 

④パワハラやセクハラが職場で横行していないか

ブラック企業は「体育会系の体質」であることが多く、上下関係が非常に厳しいうえに上司の言うことは絶対であり、理不尽なことが平気でまかり通るような環境となっています。

そのため、権力を武器に行き過ぎた指導からパワハラやセクハラが起こりやすく、弱い立場であればあるほど標的にされやすい傾向にあります。当然、こうした会社は離職率も高く、人の入れ替わりも激しいため注意が必要です。

 

 

⑤従業員が疲れていていないか?活気はあるか?

求人情報で活気あふれる職場だとアピールをしていても、実際に面接でその職場を訪れた際に、従業員の表情に疲れが見えたり覇気がなかったりする場合は注意が必要です。なぜなら、

  • 過酷な労働環境で消耗しきっている
  • パワハラ、モラハラで精神的に追い込まれている

などの理由から従業員が疲弊していることが考えられるからです。入社しても同じような境遇に陥ってしまう恐れがあるためなるべく避けることをおすすめします。

 

 

ブラック企業に入社してしまった場合の3つの対処法

細心の注意を払っても運悪くブラック企業に入社してしまう可能性はゼロではありません。ここからはブラック企業に入社してしまった時の対処法について解説していきます。

 

対処法①|労働基準監督署に相談

  • 賃金未払い
  • 不当な雇用契約
  • 長時間労働

などの違法な働き方を強いられた場合、一人で悩まずにまずは労働基準監督署に相談することをおすすめします。

労働基準監督署は会社の違法行為を監督する機関であり、法律に基づいた具体的なアドバイスがもらえます。悪質な違法行為の場合には調査や是正勧告などの対応をしてくれるなど、労働環境改善のための手助けをしてくれます。

 

 

対処法②|別の会社へ転職

ブラック企業から抜け出すには転職するのが最も簡単な方法です。なぜならブラック企業の体質を変えるための時間と労力を比べた場合、転職をしてしまったほうが現状を早く解決できるからです。

会社を辞めることに不安はあるかと思いますが、ブラック企業で働き続ければ人生の大切な時間を失うだけでなく、心身に及ぶ影響も大きく様々な面で支障をきたす恐れがあります。

取り返しのつかなくなる前に転職を検討するのもひとつの方法と言えるでしょう。

 

 

対処法③未払い残業代の請求

ブラック企業の場合、残業代がきちんと支払わないことも珍しくありません。しかし、1日8時間もしくは週40時間のどちらか一方の時間を超えた場合には残業代を支払わなければなりません。

「荷待ち時間は休憩時間だから労働時間にカウントしない」

というような主張をする会社もありますが、荷待ち時間については過去に判例で労働時間であると認められているため賃金が支払われなければ違法となります。

トラックドライバーは長時間労働になりやすいので、未払い残業代を請求することで会社の体質がかわるキッカケを作れるかもしれません。

ただし、単純に懲らしめてやろうというネガティブな感情だけで未払い残業代請求をするのはあまりお勧めしません。

 

 

まとめ

就職・転職先がブラック企業かどうかは入ってみないことにはわからないこともありますが、あらかじめ見分け方を知っておくことで失敗のリスクを下げることは可能です。

良い環境で長く働くためにもこの記事を参考にたくさんの会社を見比べながらしっかりとリサーチをしていきましょう。

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運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

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