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運送業のはじめ方 運送業許可

運行管理者のことが5分でわかる記事

kglo-kawai

運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

トラック運送業には欠かすことの出来ない、運行管理者や整備管理者の存在。法律で定められた人数を揃えられなければ、運送業を始めることすら出来ません。

そんな運送業にとって重要な運行管理者の概要を、このページにまとめました。これを読めば、あなたも5分で運行管理者について理解できるはずですよ。

 

 

運行管理者とはそもそも何か

運行管理者とは、運送業における快適な労働環境と運行の安全を守る役目を担う国家資格を持つ者のことです。トラック運送会社においては、道路運送法などに基づき、運行管理者の選任と届出が義務付けられています。

また、2年に一度、自動車事故対策機構などの国土交通省認定の講習機関において、一般講習を受講することになっています。

運行管理者は営業所の車両台数に応じて、確保すべき人数が決まっており、車両が29台までは1人、以降59台までは2人、89台までなら3人と言った具合に、30台増えるごとに1人増員しなければなりません。

そして、1営業所内に複数名が勤務する場合は、その中から統括運行管理者を決めることも必要です。

なお、車両が5台未満、および軽自動車やバイクを使用する貨物軽自動車運送事業の場合は、一部の例外を除き、運行管理者を届出なくても構わないとされています。

 

 

運行管理者の仕事内容

運行管理者は、安全運行の指示やドライバーの指導監督などを行うのが仕事です。ドライバーが休みを取っていなかったり、体調不良を押して乗務していたりと言った不適切な労働環境を放置した結果、万が一事故が起きてしまったら、会社にとってもドライバーにとっても大きな損害となります。そういう事態を未然に防ぐ取り組みをするのが、運行管理者となります。

運行管理者の具体的な業務内容は次の通りです。

  • ドライバーの乗務割の作成
  • 休憩・仮眠施設の管理
  • ドライバーの指導・監督
  • 点呼によるドライバーの疲労度・健康状態のチェック
  • 安全運行の指示

など。

 

 

運行管理補助者になるための要件

運行管理補助者とは、運行管理者の業務を定められた範囲内でサポートする人のことです。運行管理者だけで、24時間稼働している営業所の管理をするのは現実的に無理ですよね。

そこで、運行管理者の資格を持っている人、または国土交通省が認定する講習実施機関で基礎講習を修了した人が、補助者を務めます。補助者の業務として、点呼の一部と運行管理者の業務の補助が認められていますが、実際に補助者に任せる職務内容と選任方法などは、運行管理規定に明記しておかなければなりません。

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運送業許可の運行管理者になる方法は2つ

運行管理者になる方法は2つありますが、そもそも、地方運輸局長による解任命令を受けて解任された日から2年を経過しなければ、選任出来ません。まず、このルールに該当しないことを確認しましょう。では一つずつ説明します。

 

方法1|運行管理者試験に合格する

1つ目は、国家試験をパスすることです。運行管理者試験は「事業用自動車の運行管理に関する実務経験が1年以上」、または「国土交通大臣認定の講習実施機関が行う基礎講習を修了」のいずれかを満たす人にのみ受験資格が与えられます。

試験は、8月と3月の年2回。1度チャンスを逃すと半年近く待つことになり、開業が遅れる恐れもあります。十分に事前準備をして試験に臨みましょう。

また、試験に合格しても「運行管理者資格者証交付申請」をしなければ、合格自体が無効となってしまいます。合格通知が届いたら、必ず3ヶ月以内に手続きを行ってください。

 

 

運行管理者試験の合格率

合格ラインは、正答率6割以上。試験の合格率はおよそ30%前後と言われています。

 

方法2|5年の実務経験・5回以上の講習受講

2つ目は、一定の実務経験と講習受講で知識を習得することです。「事業用自動車の運行管理に関する実務経験が5年以上」かつ「5年間で基礎講習を1回以上、一般講習を4回以上受講」という要件を満たせば、試験を受けなくても運行管理者になれます。

 

 

試験の受験と実務経験プラス講習受講のどちらが良いか?

どちらかと言えば「方法1|運行管理者試験に合格」の方をおすすめします。なぜなら方法2は、少なくとも5年以上の時間がかかってしまうからです。

方法1は、仕事をしながら国家試験の勉強をする大変さはあるものの、自分の努力次第で、方法2よりも短期間で資格を取得することが可能です。

 

 

まとめ

運行管理者は、実務経験と知識の両方があって初めて務めることが出来る、非常に責任の重い仕事です。運行管理者になるまでの道のりは簡単ではありません。

時間も労力もかかりますので、資格を取ろうと決めたら出来るだけ早く動き出し、コツコツと計画的に努力を続けることが大切です。

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