個人事業主で運送業許可を取得するための心構えを大公開

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個人事業主で運送業許可を取得するための心構えを大公開

kglo-kawai

運送会社に12年勤務した行政書士。運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★著書「行政書士のための運送業許可申請のはじめ方」

個人事業主で運送業許可を取得したいとう方は、ほとんどが運送業界に身を置いているか、過去に運送業界にいたという経験をお持ちだと思います。

しかし運送業界のことは知っているが、開業に際しての心構えを知っている方は少ないことと思います。

この記事では、年間430件以上の運送業開業のご相談を受けている弊社シフトアップが、独立時に必要な心構えについて5分でご理解いただけるようにご説明いたします。

 

 

運送業開業には協力者の確保が絶対条件

弊社が運送業を開業したい個人事業主の方から頂く質問で最も多いのは「1人でも運送業を開業できますか?」というご質問です。

残念ながら、一人で個人運送業の開業をすることはできません。

個人事業主であるあなたのほかに最低でもあと5人の人材を確保する必用があります。

お仲間を誘って個人で運送業を開業するという方は、ご自身の考えや熱意を伝え、それに賛同してくれる仲間=協力者を最低5人はみつけてください。

これから人を採用するという方は、求人を出すと同時に、一番効率的な知り合い経由の紹介を得るために、知人にくまなく声掛けするなどして人材を確保してください。

ビジネスを始めるには、あなた一人で完結することは何一つありません。それは運送業とて同じことです。どれだけ多くの仲間=協力者を集められるかがカギとなります。

 

 

なかなか人材が見つからないという方は覚悟を決めることが重要

すでに色んな人に声をかけたが見つからないという方。もう一度、あなたと一緒に運送業をやってくれそうな人がいないか考えてみてください。

当事務所に運送業許可申請のご依頼頂いたお客様も、「許可を必ず取得する」という決意をして探したら、案外あっさり見つかったという方が多くいらっしゃいます。対して開業できるかどうかと悩んでいる間は、なかなか見つからない傾向にあります。

 

 

人材を見るけられるかは人間の脳みその構造と深い関係がある

なぜこのような差が生じるかというと、人間の脳みその構造が関係しています。

例えば、なんとなく「テレビを買い替えたいな」と思っている状態ではテレビに関する情報が脳みそにあまり入ってきません。

ところが、いまあるテレビが壊れて「買い替える」と決めたら、とたんにインターネットで価格を調べたり、チラシに目を通したりし始めます。あるいはどこかでテレビを見かけたら、何インチなのか、2Kなのか4Kなのかといったことが気になるなど、自然とテレビに関する情報を集めるようになります。

 

このように人は物事に対する関心度によって自分の脳みそに入ってくる情報量が各段に変わってきます。言い換えると、関心のない事は見えないようになっているのです。

ですから、覚悟を決めて運送業を開業すると決めた人は、あの人はどうか、この人はどうか、そう言えば彼にも声をかけてみようかと、より多くの情報を集めるようになります。

結果、たくさんの人に声をかけるため「案外あっさり見つかった」という方が多くなると私は考えています。

あなたの本気度が人材を確保できるかどうかのカギを握っていると言えますね。

テレビ

 

運送業を続けるために営業努力が必用なことを知っておく

個人事業主で運送業許可を取得するという方は、いまお付き合いのある荷主から仕事の受注の見込みがあるという方かと思います。ということは、運送業開業後の一定の売上は確保できるということです。

しかし、個人事業主で一国一城のあるじになるということは、売上を確保するために、より多くの荷主を確保するための営業努力が必用です。

なぜなら、いま確保している荷主から、万が一仕事が来なくなった場合には他の荷主を探さなくては事業が継続できないからです。

 

運送業を始めるからには誰しも長く続けたいと思っているはずです。ですから、ご自身のためにも、雇用した従業員のためにも日々営業活動をしてください。

ビジネスをやるからには、常に危機管理を持って営業を怠らないことが重要です。

※ここで言う営業とは、飛び込みやDM、あるいはホームぺージで採用ページを作ることだけでなく、既存の得意先と関係性を深めることも含みます。

 

 

一般的に個人より法人の方が信用度が高いことを知っておく

仲の良い荷主さんであれば、あなたが個人事業主であろうが、法人の社長であろうが仕事の依頼をするでしょう。

しかし、新規で荷主を開拓する場合には、個人事業主より法人=株式会社などであることの方が有利になることが多いものです。なぜなら法人であるというだけで社会的な信用が厚くなるからです。

上で述べた人材の確保においても、「法人に雇用される方が安心感を持てる」と思う方の方が多いため、法人成りしている方が有利に働きます。

例えば、あなたが職を探しているとして、求人の広告を見たときに同じ職業、同じ給料の法人と個人事業であればどちらに応募しますか?

個人より法人の方が福利厚生が厚い、安定しているなどのイメージを持つため、圧倒的に法人へ応募すると答える方の方が多いですよね。個人事業主は、こうしたハンディを埋める戦略を練らないといけません。

 

 

個人で運送業をやるには人格を磨くことが大切

ここまでお読みいただいた方には、何やら個人事業のデメリットばかり並べていると思われたかもしれませんが、決して個人事業で運送業開業が悪いというわけではありません。

ビジネスを始めるという意味においては、個人事業主も立派な経営者であることに変わりはないです。

しかし、人というのは何に対してもある程度のイメージを持っています。先に述べたとおり、個人事業主よりも法人の方が、社会的な信用においては良いイメージを持っている人が多いため、法人成りしていることが有利に働きます。

しかし、最終的には事業主である、あなたがどんな「人」なのかがカギになります。法人の社長でも、従業員をコマとしか見ていない人であれば従業員は社長に付いていきたいと思いません。他に行く会社がないから文句を言いながらその会社で働くというのが本音でしょう。

 

一方で、個人事業主であっても、人格者であり好感度の高い方であれば、この人の下で働きたいと思う方は多いはずです。それが得意先とて同じでしょう。

他社に比べて、個人事業主であるあなたに荷物を運んでもらう方が安心できると荷主に感じて頂ければ、多くの荷主に選ばれる運送事業者になることが可能です。

 

 

まとめ

個人事業主で運送業許可を取得するには、一緒に働いてくれる人の確保が大切です。そのためにも、必ず開業するのだと覚悟を決めて人探しをしてください。

あなたの覚悟の強さが言葉に現れ、協力してくれる仲間を増やすことが可能です。あとは、荷主確保のための営業努力を怠らず、法人とのハンディを消すために人格を磨くようにしてください。

個人事業主か法人のどちらで運送業許可を取得するか迷っている。または、個人事業で運送業許可取得について相談したいことがあるという方は運送業許可専門の行政書士法人シフトアップまでお気軽にご相談ください。


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