弊社シフトアップは毎月30件以上の運送業起業のご相談をいただきます。相談者の多くは「起業時のお金」に対して漠然とした不安を抱いています。
しかし、この「お金」に対する不安は簡単に取り除くことができます。
では、どうしたら取り除くことができるのか、実際にあった相談例を見ながら解説していきます。
お金の不安は「事業計画書」を作成して取り除く
先日シフトアップにお越しいただいたお客様も漠然とした「運送業起業時のお金の不安」をかかえているご様子でした。開口一番出てきた言葉はこうです。
「今まで兄と一緒に運送会社をやってきました。しかし、兄の息子が会社に入り自分に対する待遇が変わって会社に居づらくなってきたので、運送業で独立したいと思い相談に来ました。
毎月の売上は把握できています。しかし、運送業を経営していくなかで毎月いくら経費がかかるか想像できません。事業開始するにあたって、いくら位のお金を準備すれば良いですか?今まで起業したお客様はいくらぐらい毎月の経費がかかっているか教えてください。」
このお客様は、毎月の売上は把握できていても、支出=経費が漠然としている状態です。売上の把握ができているというのは事業を始めるうえでの安心材料になります。しかし支出の把握もできていないと不安を取り払うことはできません。
そこで「事業計画書」の登場です。事業計画書を作成することで漠然とした不安から解放されることが可能となります。
事業計画書は売上と支出のバランスを見える化するツール
事業計画書は簡単に言うと
「毎月の売上と支出=経費がいくらかかるか計算して、会社に残るお金の予想を立てる」
書類です。
例えば、
- 運送業開始前に確保できているお金はいくらか
- 荷主ごとの売上を合算した額は毎月いくらになる予定か
- 荷主へ請求書を出したあと、会社にお金が振り込まれるのは何ヶ月後か
- 毎月の車両のリース料はいくらか
- 自動車税などの税金や保険料はいくらになるのか
- 従業員の給料はいくらぐらいか
などを文書にして目で確認できるようにします。そうすれば運送業を起業するにあたり、いくら位のお金を準備しておけば良いかが鮮明になります。
私自身も新しい事業を始めるときに詳細な事業計画書を作ったら、
- 売上を伸ばすためにはどこに力を入れて、どんな対策を講じるべきか
- どの経費を抑えることが可能か
- 利益が支出を上回るための売上高(損益分岐点と言います)がいくらで、利益が出るまでに何ヶ月かかり、それまでの持ち出し費用はいくらになるのか
などがわかって漠然とした不安が消えたことがありました。
数字や文書を作ることが苦手という人はこうする
事業計画書を作ることが大切というのはわかったが、数字や文書が苦手という人もいるでしょう。
そういうときは、誰かほかの人に作成を頼んでみるのが一番です。運送業起業の準備をすべて自分でやらなければいけないという法律はありません。
結婚しているのであれば奥さんに頼んでも良いし、一緒に運送業を行う仲間にお願いしても良いでしょう。費用はかかりますが税理士や行政書士などのプロに依頼するのも手です。
自分は数字や文書を作ることが苦手だという方。運送業を起業したはいいが、すぐに資金が底をつきたということにならないためにも、事業計画書を作成してくださいね。
まとめ
運送業起業を考えていて、お金に対する不安が大きくなったら事業計画書を作成してみることをおすすめします。
人は経験したことのことにチャレンジするとき、頭の中だけで考えていると思考がネガティブな方向へかたよりがちになります。文書化して目に見える形にすると、良い点も悪い点も鮮明になり、対策を考えることで不安を取り払うことが可能です。
数字や文書が苦手という人は思い切って他人に依頼して、自分への負担を軽くしてください。事業を始めるときにすべて自分で考えて実行しなければいけないという決まりはありませんからね。